小噺

ある所に仲の良い一家がいました。父と母、そして1人娘。両親の愛情を一身に受け、娘はすくすく育っていました。そんなある日、母親が新たに子を身篭り、娘には新しく弟ができることになりました。自分が姉になる喜びにしばらくは楽しみな時間が流れたのですが、いざ弟が生まれてみると両親は弟に構いっぱなし。今まで自分だけに注がれてきた愛情が弟にも向けられるようになりました。娘はそれが面白くありません。嫉妬のあまり生まれたばかりの弟さえいなくなればまた両親は自分だけを見てくれる…、そんな事さえ考えるようになりました。そんなある日、ついに娘は恐ろしい計画を実行に移しました。まだ母親の母乳で育っている弟を殺すため、寝る前に母親に甘えるフリをして母親の乳に毒を塗りこんだのです。(毒の入手経路とか、どうやって母親に不審がられずに塗ったかはこの際無視で) 弟はまだ母親の母乳で育っています。朝起きて母親は弟に母乳を飲ませれば、その時弟は死んでしまいます。弟がいなくなったらまた自分1人で親の愛情を独占できる、娘は朝が来るのを楽しみに眠りにつきました。
…次の朝、お父さんが死んでいました。